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阻止能と飛程

荷電粒子が物質中を通る時、クーロン力により物質中の電子と相互作用を引き起こしながら進む。
物質中の電子は荷電粒子が通り過ぎるまでクーロン力を受ける。
クーロン力をfとすると電子は∫ f dt なる力積を受ける。
運動量の変化は力積で表されるので電子は∫f dt なる運動量の変化を起こす。
運動エネルギーは運動量をpとするとp2/(2m)で表されるので電子の受けるエネルギー変化は
力積∫ f dt の二乗に比例する。

荷電粒子の電荷をzeとするとクーロン力はze2に比例し、
通り過ぎる時間は速さvに反比例するので
力積は ze2/v に比例する。
従って、物質中の電子の得るエネルギーは(ze2/v)2に比例する。
これは入射粒子から見るとエネルギーを失うことになるので
エネルギー損失は(ze2/v)2に比例するといえる。

入射粒子が物質に与えたエネルギーにより励起や電離が引き起こされる。
荷電粒子は物質中の電子にエネルギーを与えるため、エネルギーを失い
次第に速さが遅くなり、物質中で止まる。

物質中を荷電粒子が進む時、原子核の近傍の電場により減速される。
このときの加速度運動により制動放射を発生する。
この制動放射によっても荷電粒子はエネルギーを失う。

物質中で単位長さ当たりに失うエネルギーをエネルギー損失(-dE/dx)または阻止能(stopping power)(S)という。
エネルギーは、力×長さ で与えれるから、エネルギー損失は力と同じ量になる。
エネルギー損失は荷電粒子を止める力ということで阻止能といわれる。

物質中の電子にエネルギーを与え、励起や電離作用で単位長さ当たりに失うエネルギーを衝突阻止能(Scol)、制動放射によるものを放射阻止能(Srad)という。
衝突阻止能と放射阻止能の和を全阻止能(S)という。
つまり、
S = Scol + Srad
で、単位はMeV/cmが用いられる。
また、これらを物質の密度ρで割り算した質量阻止能がよく用いられる。
質量阻止能(Sm)、質量衝突阻止能(Sm,col)、質量放射阻止能(Sm,rad)は
Sm = S/ρ、Sm,col = Scol/ρ、Sm,rad = Srad
で与えられ、通常用いる単位はMeV/(g・cm-2)である。

荷電粒子の阻止能は物質中の電子にエネルギーを与えることが原因であるので
単位長さ当たりの電子数に依存する。
単位g/cm2当たりの電子数は物質にあまりよらないので質量阻止能は物質にあまりよらない。

阻止能と同じような意味で線エネルギー付与(LET)が用いられる。
LETは二次電子に与えられたエネルギーがΔ以下に限ったときのエネルギー損失(LΔ)である。
Δ=∞で衝突阻止能と等しい。
L = Scol
LETの単位は通常keV/μmが用いられる。

あるエネルギーの荷電粒子は、物質中では電離・励起・制動放射によりエネルギーを失い、物質中で止まる。
止まるまでの距離を飛程(range)という。
飛程Rは
R = ∫ dE/(de/dx)
で与えられる。
飛程もg/cm2で表すとあまり物質によらない。


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日々、コンピューターとにらめっこしていた2010。
公の仕事に就くことを目指して教科書とにらめっこ2011,spring。
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